DX戦略の支援で
中小企業の収益向上

株式会社渡辺ホールディングス

企業のるDX化推進が叫ばれる中、中小企業では、具体的に何から手を付けたらいいのか。スタート時点からつまずくケースもも少なくない。渡辺ホールディングスの渡辺大河代表取締役は、さまざまな分野でのビジネス経験で培ったマーケティング力を軸に、中小企業の営業活動に特化した売り上げ向上支援のDXサービス「DXA」を開発、業績アップに貢献している。「関わる全ての企業を黒字化したい」という渡辺代表に聞いた。

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中小企業の営業に特化したDXサービス

渡辺代表は高校卒業後、「とにかく営業力を付けたい」という一心で内装業から不動産、建築などさまざまな業種の営業を経験し、そのすべてで売り上げ成績のトップを獲得したという。「営業のコツは話のうまさではなく、相手に刺さるかどうかです。相手のことを知らないと売ることはできないので、プロファイリングも意識して、相手の印象から身に付けているもの、ヘアスタイルなど全部をヒントにしました。当時得た営業力は、今の仕事にも結び付いています」と語る。

こうして培った自身のマーケティング力を軸に、デジタルが苦手な中小企業向けに「完全アウトソーシング」ができるサービスを最大の強みとしている渡辺代表は「営業に必要な事前準備は、すなわち徹底的なマーケティングなんです。中小企業には一般的なマーケティング論は不要で、もっと実践的なものが必要。そういった中小企業の営業に特化した売り上げ向上支援のDXサービスが『DXA』です」と語る。

同社では約30の自社サイトを運営し、デジタルマーケティングに活用できる約100万件のデータをを駆使して成果に結びつけていくことを可能にしてきた。「広告を掲載して顧客を獲得するという従来のスタイルではなく、デジタルマーケティングを活用して売り上げを作るという部分が特徴です。当社が運営するメディアで口コミや話題性を拡散するなど、SNSやウェブ、メール、それぞれのマーケティングをAI化したマーケティングオートメーションで、単なる広告では得られない認知や興味のタイミングで最適なアプローチを可能にします。例えばメールからアクセスしたウェブサイトを10秒以上閲覧した場合にアラートを付け、そのタイミングで営業をかければ成功率もアップしますよね。そういったカスタマイズも可能な仕組みです」と解説する。

ウェブ戦略やDX化といわれても、中小企業では初期費用の負担が難しかったり、人材不足でツールやシステムがあっても使いこなせないといった課題も多い。「DXA」は、システム導入も初期費用も無料で、フルアウトソーシングできる。渡辺代表は「社員全員がデジタルの知識を持つというのは難しい専門知識を持つ我々に任せてもらえれば、広告ではなく、DXで営業利益を上げられるので、人件費や広告費が削減できます。当社としては、自社のメディアとプラットフォームを使用してもらうことで、そのデータをマーケティング資産として使える。企業側にも、当社にもメリットしかないと考えています」と語る。

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ニューノーマル時代の営業インフラ構築を

同社では、デジタルマーケティングの仕組みをカフェや焼肉店、菓子店など飲食事業に提供し、コロナ禍でも好調で、2022年7月以降は毎月出店している状態だという。「営業も飲食もITも、いろいろなことがニューノーマルになっている。それを受け入れて対策していかないと、時代から取り残されてしまう。今後は宴会も減るでしょうし、飲食業もアフターコロナを見据え、お客様のニーズに応えるものを提供しなければならない。そこにはマーケティング力が役立つはず」と語る。

渡辺代表はデジタルに加え、リアルマーケティングでも蓄積した独自のノウハウを成長させることで、「ニューノーマル時代の営業インフラを構築したい」という。「デジタルマーケティングを使って売り上げを作れる当社の『DXA』が、中小企業の営業方法の基盤になればいいと考えています。現状の広告ベースが全てダメ、というわけではない。飲食店ならオープンから半年くらいは、認知度を作るためにも広告を多く出した方がいい。その後は『DXA』のようなものに切り替え、多角的なウェブ戦略を展開すべきだと思います」と話す。

「DXA」の活用も含めて特に力を入れているのが、「和菓子文化の世界発信」だ。ユネスコ無形文化遺産としての和食には、和菓子も含まれている。しかし、地域の和菓子店の減少や職人が育たないなど課題は多く、国際和菓子協会をNPO法人化したり、新和菓子のFCを開業するなどして和菓子業界を盛り立て、海外発信も進めている。

こうしたリアルマーケティングで地域活性化にも貢献している渡辺代表は「関わる全ての企業を黒字化したい」と力を込めた。

株式会社渡辺ホールディングス代表取締役

渡辺大河

1974年、千葉県出身。「火鍋小尾羊」の日本進出、「浜焼太郎」「Cfarm」の全国FC展開、「北海道うまいもの館」の全国展開に携わる。2017年、株式会社渡辺ホールディングスを設立。中小企業向けの「デジタル営業 DXA」「Café Hanamori」「京都利休のわらび餅」などを展開。「和菓子」を世界に広めるため、国際和菓子協会の理事長も務める。

https://watanabehd.co.jp/