エステティシャンを
一人でも多く幸せに

株式会社 ピュアラボーテ

予約困難な人気エステサロン「プロビアンコ」を運営するピュアラボーテの白崎順子代表取締役社長は、施術スタッフとして今も現場に立ち続けている。美容サロン向け商品の卸販売やエステスクール事業、個人経営の小規模サロンのサポートも「現役エステティシャンだからこそできる」と語る。

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現役エステティシャンであることが強み

白崎代表は学生時代、自分の髪にコンプレックスを持っていたが、美容師に髪の悩みを解決してもらい、「仕事とは誰かのコンプレックスや悩みを解消することだ」と実感したことをきっかけに美容師の資格を取得した。しかし、サロンワークが激務で顔面神経麻痺を発症。休職して、美容業界から離れることも考えたとき、顔面神経麻痺の治療の一環としてエステや鍼灸と出会った。「施術を受けているうちに、メンタルも含めてどんどん元気になっていき、その経験を生かしたいとエステティシャンを目指すようになりました。美容師を目指していた時と同じく、自分の実体験を通じて施術を受ける側の気持ちが分かったからこそ、自分の進むべき道、やりたいことが定まりました」と明かす。

改めて学校に通い直した白崎代表は、大手や個人のエステサロンを経て、ゲスト目線にこだわったサロン「プロビアンコ」をオープン。わずか1年で予約が取れない人気サロンとなった。「個人サロンとしては、ちょっと天井が見えたと感じるようになり、少し違う目線を持ちたいと思っていた矢先、同じような小規模サロンを運営している人たちから『集客がうまくいかない』『技術的なスキルを上げたいけど勉強方法が分からない』といった悩みを聞くようになりました。そこで私自身も新たにスキルアップできるのかもしれないと思い、エステスクールとBtoBの商品卸事業を始めることになりました」という。

自身もサロン運営で悩んだ経験を持っていた白崎代表は、経営の勉強会に参加しても、コンサルタントが男性の場合、エステに通う感覚が分からず、回転率をなど数字的なアドバイスばかりでしっくりこないことが多かったという。「現場を経験している方の体験談や成功談、失敗談というものに価値があると思うので、自分の経験をしっかりと入れ込んだ形で運営すれば、スクールもBtoBの代理店もうまくいくのではないかと考えました。現役のエステティシャンであることこそが大きな強みになっているんです」という。

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技術だけでなく個性を売りに

肌を育てる化粧品を扱うBtoBの代理店として、現在約200サロンと取引しており、ただ商品を売るだけでなく、より効果が期待できる施術方法や肌の基礎知識などを学べるスクールやセミナーも開催している。その中には、エステティシャンの地位向上を目指す白崎代表の思いも込めて、東洋医学の一つでもある陰陽五行をエステに融合させたオリジナルの臓活エステを学べるクラスも開いている。「エステティシャンは国家資格ではないので、簡単な気持ちで起業する方もいますが、中途半端な知識や技術の提供はエステティシャンの地位を自ら下げてしまうことにもなりかねません。肌荒れや不調の原因が臓器にあるという陰陽五行の考えを理論的にお伝えする講座などから、一過性のアドバイスではなく、根本的なケアを提案できるエステティシャンを増やしていきたい」と思いを語る。

SNSの普及などから、エステティシャンもファンビジネスに向かっていくのではないかという。「基礎知識や技術があるのはもちろんですが、いかに個人差を付けるかが、生き抜くために重要なポイントになるのではないかと思っています。化粧品やマシン、施術といったことよりも、誰がやるか。お客様が選ぶ時代になっているからです」と指摘する。

自身のファンを増やすためにも、白崎代表は一人一人の顧客に「自分は特別な存在」と思ってもらうことを心がけてきたという。「例えば単価を上げるときに、なぜ上げるのか。そうしたこともきちんと説明すべきです。私自身、サロンワーク以外の事業を始めるときにはきちんと説明して、応援してもらいました。お客様に応援したいと思ってもらえることがとても重要な職業なんです」と語る。

エステティシャンという仕事を選んで本当に幸せだという白崎代表だが、取引先のエステティシャンを見て、自分の過去を見ているような気持ちになることも多いという。「どうしても“稼ぐ”ことに軸を置いてしまいがちですが、自分自身が仕事を通じて楽しさをちゃんと感じていないと、お客様に選ばれるエステティシャンにはなれません。今の自分の働き方に納得できているか。そこを解決できるマネジメントを続け、幸せなエステティシャンを一人でも多く増やしていきたい。それが私の使命ですから」と力を込めた。

株式会社 ピュアラボーテ代表取締役社長

白崎順子

福井県出身。美容専門学校を卒業後、美容師の道へ。その後、顔面神経麻痺を患ったことをきっかけにエステティシャンとなる。大手サロンや個人経営のサロン勤務を経て、30歳の時にエステサロン「プロビアンコ」を起業。現在はサロン経営のほか、美容サロン向け商品の卸販売やスクールも運営する。

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