【大学特集】
地域と学生に寄り添う大学

宮崎大学

宮崎大学。2024年宮崎大学農学部は創立100周年を迎える。鮫島 浩学長は「世界を視野に、地域から始めよう」とスローガンを掲げる。

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宮崎に貢献できる人材を輩出する

宮崎大学は、教育学部、医学部、工学部、農学部、地域資源創成学部の五つの学部を有する総合大学です。地方の大学は、地域に根付いた強みを持つべきだと考えており、地域社会からの支持を受け、地元の市町村や企業・組織との連携を強化しています。

宮崎の産業で最も経済効果が高いのは農業です。宮崎の農業は日本の食糧基地として非常に重要な存在で、宮崎は日本人の胃袋をつかんでいるというプライドを持っており、そのために農業には力を入れています。そのため、100周年を迎える農学部では、農業人材養成の充実を図っています。

「夢と希望の道標(みちしるべ)」奨学金は、前学長の時代に始まった本学独自の奨学金制度で、各学部から学業成績が極めて優秀な学生約10人を選出し、それぞれに10万円のインセンティブを支給しています。2年次以降の学生が対象となりますが、2年次に10万円を受給した学生が、3年次も極めて優秀と判断されれば、3年次も、さらには4年次も受給することが可能です。支給される10万円は、できるだけ自己投資に生かしてほしいとの期待が込められています。自分自身を形成していく過程で、お金の使い方を楽しみながら学び、自己の成長に賢く活用してほしいと思っています。

また毎年約3回、各学部の学生代表と学長が集まり、自由な会話を楽しむ場を設けています。学生との対話を通じて出たアイデアや要望については、できる限り実現させる方針です。私が重要視しているのは学生目線の大切さです。学生が大学院に進学して研究を深めたり、教員としてのキャリアを築いたり、地元に貢献する道を選ぶことを応援し、常に学生を優先に考えています。

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積極的に学んでほしい

私の学生生活はごく普通の学生だったと思います。父が鹿児島大学の付属学校職員であったため、試験なしでほとんど苦労することなく大学まで進学しました。医師として働いた2年後に留学の機会があり、3年間アメリカでの仕事を経験しました。それなりの苦労はあったと思いますが、経験を積むことで徐々に「苦労」と感じなくなっていきました。学生時代に一定の苦労を経験することで、社会に出た際にはそれほど大きな問題にはならなかったと感じられるでしょう。

学ぶということは、自分だけでなく周囲や社会も変化させていくプロセスです。積極的に学び、自分がどのように変化していくのかを考えてほしい。失敗しても構いませんし、失敗から学んで次のステップに進むことが重要です。何よりも学ぶことを楽しみ、それを習慣化して大学生活を過ごすことが大切だと思います。

宮崎大学学長

鮫島 浩

1957年生まれ。81年鹿児島大学医学部医学科卒業。91年日本大学医学博士取得。その後、宮崎医科大学医学部助教授、宮崎大学医学部教授、宮崎大学理事(病院担当:病院長兼務)を経て、2021年から現職。

https://www.miyazaki-u.ac.jp/