繁盛店を生み出す
“店構え専門家”

有限会社ジャパンセントラルサイン

新規オープンやリニューアルする飲食店の外観をコンサルティングする有限会社ジャパンセントラルサインの戸田大輔代表。これまで大手外食チェーンから個人店まで1000件以上の外観を手がけ、飲食店に特化した“店構え専門家”として活躍する戸田代表に聞いた。

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看板制作から集客力アップのコンサルタントに

戸田代表は30歳のとき、愛媛県で看板制作を始めた。工務店の下請けとして価格やスピード感を求められる仕事に物足りなさを感じ、「直接お客様の顔を見て、お客様の問いに答えるような仕事がしたい」と、独立1年目で下請けの仕事を一切やめ、直接営業するようになった。地元の商店街で名刺を配るなどしていると、飲食店から発注が多くなり、看板の意味をさらに深く考えるようになったという。「もちろん1人でも多くのお客様に来ていただきたいという意味で看板を付けているのですが、果たして自分の看板にその効果があるのか、自問自答しながら制作するようになった。それまで単純に看板は名前を伝えるだけのもの、としか思ってなかった。看板は必ず人に見られるものですから、その店の魅力を最大限を伝えるのが役目ではないかと思うようになりました」と振り返る。

店のコンセプトを正しく伝え、来店客を増やすための試行錯誤を重ね、ノウハウがある程度できたころ、看板を変えることで集客を上げられるという実感がつかんだ。そこで「他の人にもできる仕事は辞めよう」と、外観のコンサルティング1本に絞ることを決意した。戸田代表は「大手の飲食店が日本一の外観を作りたい、というときに手を挙げられるようなポジションにいたい。繁盛店を生み出す外観コンサルタントで日本一になろうと決めました」と語る。

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ターゲットを絞ることが商圏を広げる

戸田代表は、ヒアリングを最も重要視しており、店舗の良いところ(他店と違うとこ・強みになる魅力)を見つけるまで、とことん深掘りする。「店構えは、全員に好まれなくてもいい。来てほしいターゲットにだけ好まれればいい」と説く。例えば、低価格帯の居酒屋のリニューアルの場合、「冷凍食品を温めて出しているだろうな」と思うような安っぽい外観だったが、実際は安いが上質でおいしいものを出していた。リニューアルに当たって、ターゲットを中高年男性に設定した。「中高年が好むもの=質の高いものというイメージがある。中高年向けの店だということが一目で伝わるような演出をすれば、今まで安いからという理由で来店していた層に加えて、おいしそうだと感じて来店する層が増える。若者も『中高年はどんなメニュー食べてるのか?』と来てくれるようになる」と語る。

「ターゲットを狭めることが商圏を広げる」という戸田代表は、自身の体験から学んだ。「自分も看板制作を請け負っていたときは四国が精いっぱいでしたが、自分にしかできない外観コンサルタントに絞ったら、海外でも仕事ができるようになり、商機が広がった」と明かす。

戸田代表は、少子高齢化によって飲食店も従業員不足が加速していくと予測する。「少ない人数で運営しながら、いいものを安く出せる店が今後は残っていくと思う。そのための仕組み作りと商品開発を一生懸命している企業が多い。無人化する店舗もあれば、フルサービスで人に投資していく店舗もあるが、やはり外食の良さは『明日への活力』と思える活気のある場所だと思うので、選ばれる店構えを作ることで貢献したい」と力を込める。

今後は、看板屋の価値が上がるような活動にも注力したいと話す。「看板を変えれば売上が上がるという実績を積み上げていけば、看板屋はすごいと思う人が増える。このノウハウを後進に伝えていけるようなカリキュラムや学校のようなものも作りたい」と将来を見据える。

有限会社ジャパンセントラルサイン取締役

戸田大輔

新規オープンやリニューアルする飲食店の外観をコンサルティングする有限会社ジャパンセントラルサインの戸田大輔代表。これまで大手外食チェーンから個人店まで1000件以上の外観を手がけ、飲食店に特化した“店構え専門家”として活躍する戸田代表に聞いた。

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