夢をあきらめた若者
第2の人生を応援

株式会社H.T.M

学生時代に活躍したアスリートも、プロとして生きられるのは一握り。H.T.Mの小畠弘充代表は、自身もプロ野球選手としての道をけがによって断たれた経験を持ち、夢をあきらめてしまった若者たちのセカンドキャリアを応援している。

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営業のトッププレーヤーの経験生かし起業

小学生のころからプロ野球選手を目指して、野球に打ち込んだ小畠代表は、大学時代に肩を壊し、プロへの道が断たれ、精神的にも落ち込み、就職活動もせずにふらふらしていたという。その後「どうにかしなくては」と通信業界の営業に就職。初日から売り上げトップをたたき出したが、感覚ではなく理論でのセールスを身に付けようと業務の傍らマーケティングなどを勉強した。そして、「自分のように将来を夢見て挫折した人たちは、経験や知識が乏しく世間知らずなことが多く、そんな人たちのために貢献できるものはなんだろうと考えた」と起業を決意した。

営業のトッププレーヤーだった小畠代表の経験から、通信事業者の営業代行、人材派遣を主軸にしてH.T.Mを立ち上げた。設立早々に主要取引先に想定していた企業から社員の派遣を断られるというピンチもあったが、その後、限定地域の契約という難しい案件をまとめ、赤字を解消するだけでなく、業界の新参者だった同社を名実ともに認めさせた。「我々が営業する通信事業の商品は、飽和している状態で、商品力での勝負はできないので、商品の強みを未来の問題点に焦点を当てて、未来のニーズにつなげるスタイルを取っています。そして、自分が必ず売れる営業トークの台本を書いて、社員に演じてもらっています」と自信を見せる。

自分が頭の中で組み立てたものを形にするチームがあれば、世の中のありとあらゆるものを売れるという自信があり、それを事業にすれば、会社が立ち上がるはず、と考える小畠代表は、社員の独立支援事業を展開している。小畠代表の書いた台本を使った営業代行業務を通してセールススキルを学び、そこで得た知識や経験を活用して新たな事業をグループ会社として立ち上げるというスキームだ。「現在、スポーツを始め、俳優やレーサーなどの夢をあきらめてしまい、何か始めたいけど何をやったらいいのか分からない。でも成長したい、独立したいという意欲を持つ社員が多く在籍しています。彼ら一人一人がビジネスリーダーになり、独立してもらうのが今後の目標です。社員を100人に増やし、いずれはグループ100社にすること。今後は、それをさらに強化するためウェブデザイナーやコピーライターなどを揃えたマーケチームを本格始動させる予定です」と先を見据えている。

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独立支援で「三方良しの新事業」を

小畠代表は「ビジネスリーダーにとって最も重要なことはマーケティングだ」といい、「マーケティング=リーダーシップ」だと定義する。「全てが飽和状態の時代、物を売るためには、未来におけるあいまいな予測に対して自分が責任を持つことが必要なのではないでしょうか。『こうなっているであろう』という未来の問題点を解決する方法でしか、物が売れないのであれば、そこに自信と責任をもって顧客を引っ張っていく必要がある。それがマーケティングの基本であるなら、リーダーシップにも当てはまるはずです。そして、いいリーダーシップを取りたいのであれば、いいフォロワーであらなければならない。フォロワーシップを大切にしていくこと。それは、当社の行動指針でもあります」という。

社員一人一人がビジネスリーダーになれるように社員教育に力を入れる同社だが、小畠代表は現代を「深刻なリーダー不足の時代」と評する。「当社には少ないですが、責任を負わないポジションで仕事をしたい、という若者をよく見かけます。このまま日本の若者が海外の企業の労働者として働く、という未来にならないように、社員には先を見据えて今をどう生きるべきか。一緒に未来の原因作りをしていこうと話しています。自分たちができることを探して、新たなセカンドキャリアとしての基礎を作ってもらいたい」と呼びかける。

小畠代表は「自分が苦労した分、誰かのためになるような会社にしたい」という思いを創業当時から変わらず持ち続けているという。「関わる人全てにとって、いい出会いでありたい。社員一人一人が独立支援事業を通して学び、成長して、フォロワーシップを発揮して、自分のため、会社のため、世の中のためになるような三方良しの新事業をどんどん作ってほしい。世の中に貢献できる人を一人でも多く輩出したい」と語った。

自分と同じように夢を諦めて挫折してしまった経験を持つ若者を応援したいという志から始まった同社は、セカンドキャリアを確立できる新たな夢を提案、サポートし続けていく。

株式会社H.T.M代表取締役

小畠弘充

1980年、愛知県出身。プロ野球選手を目指し、スポーツ特待生として大学に進学。4年生の時、肩のけがでプロの道を断念。卒業後、社会人クラブチームに属すが、通信関係の営業職に転職。自分と同じような境遇の若者の力になりたいと2011年、株式会社H.T.Mを設立。

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