独自のメソッドで
生きづらさを解消

株式会社コレット

広島と東京を拠点に、全国各地からやって来るクライアントのカウンセリングを行っているコレット。幅広い年代の経営者や主婦、引きこもりなどさまざまな立場の人が、生きづらさを解消したいと訪れ、これまでカウンセリングしたクライアント数は約7000人に上るという田中よしこ代表に聞いた。

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心理学と脳科学を
組み合わせたカウンセリング

田中代表は、心理学と脳科学を組み合わせ、クライアントの思考の偏りを視覚化して、腑(ふ)に落とすという独自のメソッドによるカウンセリングを行っている。「脳科学の領域は、メディアなどを通して皆さん知識が増えてきたと思いますが、具体的に自分でどう生かしていけばいいかを一緒に考えていきます」という。

カウンセリングを経て、これまで自覚しなかった自分の本当の思いに気付き、自分の力で幸せになれる人生をスタートすることもあるという。「例えば、この人と合わないとか、何々が嫌だとか思って仕事を変えたいという人は、そのままでは脳がストレスを抱えながら動いているので、結果としてうまくいかない場合が多い。自分が何を快、不快に感じるのかを知って、自分の本当の動機に向き合うと、脳がフルのパフォーマンスを発揮できるようになり、うまくいくようになる」と説く。

一度自分に合った方法を学ぶと、同じようなことが起こっても自力で立て直しができるようになるという。「何かあるたびにカウンセリングを必要としたり、頼ったりしなければならないような状態にはならないように、本当の意味で自立した人を増やしたい」と語る。これまでさまざまなカウンセリングを受けてきたのに、中々変われなかったという人が訪れる“最後の砦”のような存在であるようにと努めてきた。

02

「思い込みがないか、振り返って」

田中代表は、幼少期に母から虐待を受けたため、怒られず、殴られなけれないことを選ぶようになっていたという。「家を出ると、それだけで生きやすくはなりました。ただ楽しくやっているつもりでも思考の癖のようなものがあって、人間関係がすっきりしなかったり、自分に自信が持てなかったりして、幸せを感じられないという状態でした」と振り返る。

多くのことに挑戦するが、本当にやりたいことをやれていないので疲れを感じ、考え続ける時期が続いた。、会社員時代の海外勤務で、内戦で兄妹を亡くしたという過酷な幼少期を過ごしたスリランカ人の同僚と出会い、「「生きていることに感謝している」という言葉を聞いて、母を余裕がなくなるまで追い詰めた社会に対する自分の怒りと、自分は恵まれているということに気付いたという。自身のものの考え方やとらえ方に問題があるとを自覚して、コーチング技術や脳科学、心理学を学び、自分の本心に気付き心から満たされる人生を送れる人を増やすために起業を決意した。「私は自分を立て直すのに30年かかりました。長い期間でしたが、今こうやって皆さんのお役に立てているのは良かったと思います」と振り返る。

これまで多くのカウンセリングを行ってきた田中代表によると、経営者は「人」に関する悩みを持ちがちだという。「人手不足や人が育たないというところに悩みを抱えています。でも問題の方を見るのではなく、自分に何か思い込みがないかを一度振り返ってほしい」と提案する。会社を大きくしたいといったマインドを持つのは大事だが、皆が盛り上がれるような目的を、まず自分自身が持っているか。それを口に出して伝えているか、ということを振り返ると、、事業がうまくいったり、会社の雰囲気が変わったりすることがあるという。

「自分がこうしたいと思っている目標を、『何のためにそうしたいのか』と掘り下げて、5回ぐらい紙に書き出していく。2、3個で止まってしまうようだと目標として少し弱い。まだ本当の思いが隠れているので、その目標に社員と世の中も巻き込めるような志が入っているかどうかを、自分が納得できるまで突き詰めるのがキーポイントだと思う」と指摘。田中代表は、これからも多くの悩みと向き合っていくだろう。

株式会社コレット代表取締役

田中よしこ

広島県呉市出身。2013年、「Smile labo Collet」を開設。2019年、株式会社コレットへ法人化し、東京オフィス開設。脳科学、心理学、コーチングを用いた独自メソッドでクライアントの潜在意識を整え、本心に沿った未来思考を引き出す。著書に『自分の気持ちが分からない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)他。

https://smilelabo-collet.com/