経営と研究の視点で
水素を吸う文化を

株式会社アクアバンク

ポータブル水素ガス吸引具「KENCOS(ケンコス)」など、水素関連ビジネスを展開するアクアバンク。経営者と開発研究者、二つの視点から斬新な事業アイデアを生み出す竹原タカシ代表取締役は「ストレス社会に水素を吸う文化を広めたいを」と語る。

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VRゴーグルで目から水素吸収

アクアバンクは2011年水素を基軸とした研究開発とプロダクトを作ることをコンセプトに設立された。竹原代表は「水素水のウオーターサーバーも展開していますが、水素をダイレクトに吸った方がいいと考えました。ストレス社会である現代、ストレス解消をサポートする水素吸引を広く発信していきたい」と力を込める。

2017年、「水素を持ち歩こう」をテーマにしたポータブル型の水素ガス吸引具「KENCOS(ケンコス)」が発売された。竹原代表は「いつでもどこでもすぐに水素が吸えるようにポータブル型を採用しました」と説明する。ストレスを抱えている人や不眠に悩む人、認知症を意識する高齢者の利用が多いというが、竹原代表は「KENCOSが花開くのは海外からのような気もしています。日本はタバコ以外のものを口で吸うことに抵抗感を持つ方も少なくありません。今後はストローを付属したドリンク型など、より利用しやすいスタイルも考えていきたい」という。また、「あらゆる情報が目から入ってくる時代、今後さらに目を使うようになるので、VRゴーグルに水素を入れて目から吸収するようなプロダクトの開発が目標」と語る。

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エビデンスにこだわり数多くの特許を取得

そのほか、水素を利用した美容のプロダクトにも取り組みたいという竹原代表が、商品開発でこだわっているのは“エビデンス”だ。「水素を取り入れた入浴剤や水素水サーバー、マスクも手がけていますが、何においても一番はエビデンス。全て自社で研究を進めていることが強みです。自社の製品を使い、どういった部分が特徴的なのか、検証結果を出していることが一番の違い」と胸を張る。

今後は「吸うサプリメント」という誰も手をつけていない市場を開拓したいという展望も持つ。「日本にはタバコ以外の“吸う”文化が、あまりポピュラーではない。そこをヘルスケアの分野で開拓していきたいと考えています。第一弾としてユーグレナを吸うフレーバーカートリッジを発売しました。今後も高濃度ビタミンなど、“吸う”という文化にアプローチしていきたい」と語る。

竹原代表はアイデアを生み出す源について、「“はてな”ですよね。ニュートンではないですが『なぜ落ちるんだろう』というような“なぜ?”が始まりです。水素吸引も、これまで思いついても実行する人が誰もいなかった。自分は思ったらやってみようというタイプなので、その違いです」と明かす。竹原代表は、研究者ならではの発想力と経営者の視点から、水素関連のほか出願中のものを含め、約30の特許や商標、意匠を登録している。

将来、バイタルデータなどと連動させる水素吸引のプロダクトを開発したいという。「会議の前や緊張するシーンに、水素を吸って、リフレッシュや気分転換をしようというイメージで、知名度を上げ、10年後には世界中で当たり前のように水素を吸っている時代にしたい」と先を見据えている。

株式会社アクアバンク代表取締役

竹原タカシ

1983年、大阪大学基礎工学部物性物理工学科を卒業後、磁場・環境制御を利用した鮮度保持開発の研究所を設立。1987年、事業化に向けて株式会社NCAシステムサービスを設立。1997年、通信事業にも参入。株式会社BAJを設立。2011年、健康寿命を延ばすことを目的とした株式会社アクアバンクを設立。

https://www.aqua-bank.co.jp/