知の巨人が創造する
「新たな学びの場」

学校法⼈ 21世紀アカデメイア

ビジネス界の知の巨人と評され、永年、多くの経営者の育成に携わってきた田坂広志氏は、2023年、全国に18校を展開し1万名の学生が学ぶ、「学校法人 21世紀アカデメイア」の学長に就任した。大学も専門学校も超える「新たな学びの場」の創造をめざす田坂学長に、これからの教育について聞いた。

01

人工知能に淘汰されない能力を

田坂学長は、総理大臣のブレーンである内閣官房参与や世界経済フォーラム(ダボス会議)の専門委員を務めるなど、国内外で活躍する一方、8000人以上の経営者やビジネス・リーダーが集う「田坂塾」を開塾し、数多くのプロフェッショナルを育成してきた。そうした国際活動と人材教育の経験から、田坂学長は「世界の経営者やトップ・リーダーを見てきたが、日本には、世界で通用するプロフェッショナルが育つ場がない」と語り、それが未来の日本を担う若手人材を育てる場である学校法人の経営トップを引き受けた理由だという。

この学校法人 21世紀アカデメイアでは、学生たちは、45分野の専門技能を学び、社会が求めるエキスパートをめざすだけでなく、社会で活躍するプロフェッショナルをめざし、特別な「5つの力」を身につける独自のカリキュラムを学んでいる。その理由を、田坂学長は、次のように語る。

「これからの時代、人工知能革命が進み、AIに仕事を奪われる『AI失業』が大きな社会問題になりますが、その結果、従来の偏差値教育で『優秀』と言われてきた人材は、むしろ、失業する可能性が高いでしょう。なぜなら、偏差値が高いというのは、論理的思考力や知識の記憶力が高いということですが、その2つの能力は人工知能には全くかなわないからです」という。

では、AI革命の時代に実社会で活躍できる人材とは、どのような人材か。

田坂学長は、「これから求められるのは、論理的思考力ではなく、直観や感性による感覚的判断力であり、知識の修得力ではなく、技能の体得力です」と強調する。すなわち、それは、AIには決して置き換わることの無い、人間だけが発揮できる高度な能力であり、具体的には、「クリエイティビティー、ホスピタリティー、マネジメントです」という。

02

これからの困難な時代を超えていける若い世代を

学校法人 21世紀アカデメイアが提供する「セブン・ステップ・カリキュラム」の中には、創造的コミュニケーション力や創発的プロジェクト力など「5つの力」を身につけた「ファイブ・スター・プロフェッショナル」への成長を支援し、専門分野を超えて異業種の人材と円滑に協働できる「クロスオーバー・エキスパート」への成長を促すイベント、「富士五湖サミット」がある。これは、山梨県との官学連携で実施するコンテストだが、専門分野を超え、地域を超え、全国18校から選抜された学生が、富士五湖地域を新たな自然首都圏にするための「ソーシャル・プラン」を競い合うものだ。

さらに、実践的英語力と国際感覚を身に付け、世界で活躍する「異文化グローバリスト」への成長を支援するプログラムとして、2024年4月には、100カ国以上の学生が参加し、社会問題をテーマにしたアート作品を競い合う国際コンペティション「Fuji-California Young Artists Expo」を開催し、また米国ロサンゼルスで「Cool Japan」をアピールする作品を競う「ロサンゼルス・サミット」などのイベントも準備されている。

さらには、これからの「人生100年時代」、生涯を通じて能力を高めながら新たなステージに挑戦し、キャリアアップを続けていくべき時代を見据え、卒業生・在校生に向けた生涯サポート組織「ネクスト・ステージ・アカデミー」を新たにスタートした。このアカデミーでは、本来、「大学卒」の資格が求められるビジネス・スクール(経営大学院)に、「専門学校卒」の資格でも入学でき、経営学修士(MBA)を取得できるコースを設けている。「このネクスト・ステージ・アカデミーは、過去60年余に生まれた30万人の卒業生に門戸を開いている」と語る田坂学長の眼差しは、時代の最先端を見つめている。

永年、実業界で、数多くのプロフェッショナル人材の育成に携わってきた田坂学長。その豊富な教育経験と人材育成ノウハウが凝縮された、学校法人 21世紀アカデメイアの多様でユニークなカリキュラムの根底にあるのは、「日本を素晴らしい国に変革する若い世代を育成したい」という思いだ。

「日本が素晴らしい国になっていくためには、素晴らしい人材を育てることが不可欠です。今の若い人たちの目の前には、気候危機の深刻化、パンデミックの到来、テロと戦争の危機、資本主義の変質、民主主義の劣化など、さまざまな困難な社会的課題が待ち受けていますが、その困難への挑戦を通じて逞しく成長し、新たな社会を築いてほしい。その若い世代の成長を支えることこそが、我々の最大の使命です」と、田坂学長は、熱く語る。

学校法⼈ 21世紀アカデメイア学長

田坂広志

東京大学卒業。同大学院修了。多摩大学大学院名誉教授。世界最大のシンクタンクを経て日本総合研究所を設立。さまざまな新事業開発を手掛けるとともに、数々の大手企業の戦略参謀を務める。内閣官房参与やダボス会議の専門委員を務める傍ら、田坂塾を開塾し、数多くの経営者やプロフェッショナルを育成。著書は100冊余。

https://www.akademeia21.com